熟語といえば二字であり、長いものだと四字熟語というものもあります。四字熟語は専用の辞典も多く出版され、漢検でも独立した設問として出題されるテーマである一方、「三字熟語」は余り取り上げられている印象がありません。
今回はそんな三字熟語を集めてみようと思います。
三字熟語の一覧(※更新中)
原則は漢検漢字辞典に掲載されているものとし、未掲載の熟語については備考に掲載。
動植物の名称(松藻虫(まつもむし)、法螺貝(ほらがい)など)、熟字訓(混凝土(コンクリート)など)、人名・地名や施設名等の固有名詞(愛迪生(エジソン)、渟足柵(ぬたりのき)、紫宸殿(ししんでん)、聚楽第(じゅらくだい)、輪島塗(わじまぬり)など)は原則として除外。
また、三字熟語というと紫外線、修羅場、大黒柱のように一般化したワードも含まれますが、こういった言葉を加えると膨大になることから独断で除外しているケースがありますので、ご了承ください。
読み方 | 漢字 | 意味 | 備考 |
---|---|---|---|
あくたろう | 悪太郎 | いたずらな子供や乱暴狼藉をはたらく男をののしって言う語。 | |
あそうぎ | 阿僧祇 | ①数えきれないほどの大きな数。②数の単位。10の56乗、また10の64乗。 | |
あとぶつ | 阿堵物 | 銭の異称。 | |
あへんくつ | 阿片窟 | 阿片を吸引させる秘密の場所。 | |
あみだ | 阿弥陀 | ①西方仏教にいて、人々を極楽へ導くとされる慈悲深い仏。阿弥陀仏。②阿弥陀籤(あみだくじ)の略。何本かの縦線に横線を加えて引く籤。 | |
アラカン | 阿羅漢 | 全ての煩悩を絶ち、悟りの境地に達した人。小乗仏教では最高の地位とされる。 | |
あんあんり | 暗暗裏/暗暗裡 | 誰にも気づかれずに。こっそり。「ーに事を運ぶ」 | |
あんけんさつ | 暗剣殺 | 九星の方角の一つ。子や召使に殺されるおそれがある最凶の方位。 | |
あんぽんたん | 安本丹 | あほう。ばか。愚か者。人をののしって言う語。 | |
いこじ | 依怙地/意固地 | あくまでも自分の主張を貫こうとする、頑なな態度。片意地。 | |
いじょうだか | 威丈高 | 相手を威圧するような態度をとるさま。「ーに話す」 | |
いだてん | 韋駄天/韋陀天 | ①仏法や寺院の守護神。足が非常に速いといわれる。②足が非常に速い人のたとえ。 | |
いにょうち | 囲繞地 | ①袋地(他人の所有地に囲まれ、私道だけで行動に通じる土地)を囲んでいる土地。②他の一国に完全に囲まれている領土。 | |
いまちづき | 居待月 | 陰暦の18日の月。8月18日の月。 | |
いろは | 伊呂波 | ①いろは歌の最初の3字で、いろは歌47字の総称。②物事の初歩。 | |
うばい | 優婆夷 | 在家のまま仏門に入った女性。信女。近事女(こんじにょ)。 | |
うばそく | 優婆塞 | 在家のまま仏門に入った男性。信士。近事男(こんじなん)。 | |
うりざねがお | 瓜実顔 | 瓜の実のように、色が白くて面長な顔。 | |
えもんだけ | 衣紋竹 | 竹でできた衣服を吊るすための道具。 | |
おえしき | 御会式 | 日蓮宗で、日蓮上人の命日の10月13日に行う法会。 | |
おたふく | 阿多福 | ①おかめ。②顔立ちの悪い女性。女性をののしって言う葉。 | |
おとごづき | 乙子月 | 陰暦12月の異称。末子を乙子ということから。 | |
おとさた | 音沙汰 | 頼り。連絡。 | |
かさいるい | 果菜類 | 果実部分を食用とする野菜類。茄子、トマト、カボチャなど | |
かしょうざ | 迦葉座 | 仏像を安置するハスの葉の形をした台座。 | |
かしょうぶつ | 迦葉仏 | 過去七仏の第六番目の仏。釈迦の直前に出現した。 | |
がたろ | 河太郎 | 河童の別称。西日本でいう | |
かつかんぱく | 褐寛博 | ①粗末なダブダブの衣服。②身分の低い卑しい人。無頼漢。 | |
かほんか | 禾本科 | イネ科の旧称。 | |
かりんとう | 花林糖 | 菓子の一種。 | |
きさらぎ | 衣更着 | 陰暦2月の異称。 | |
きゅうそだい | 窮措大 | 貧しい書生。貧乏な学者。 | |
きょうそうきょく | 狂想曲 | 形式に拘らず自由な気分で作られた、快活で機知に富む楽曲。カプリッチオ。 | |
げじきにち | 下食日 | 陰陽道で、天狗星が下界に下って食を求めるという日。この日は悪日として、沐浴、剃髪、種まきなどを忌んだ。 | |
こそめづき | 木染月 | 陰暦8月の異称。 | |
こむそう | 虚無僧 | 普家(ふけ)宗の托鉢僧。 | |
コンガラ | 矜羯羅/金伽羅 | 不動明王の脇士の八大童子の第七。制多迦(せいたか)童子と対。 | |
さぎちょう | 左義長/三毬杖 | 小正月中心に宮中で行われる厄除けの火祭り。民間では、門松や注連飾り、書初めなどを集めて焼く。どんど焼。どんど。 | |
ざんかんじょう | 斬奸状 | 悪人を切るにあたって、その趣意を記した文書。 | |
しょうこんくつ | 消魂窟 | いろまち。遊里。 | コトバンク |
しょうまきょう | 照魔鏡 | 悪魔を映し出す鏡。転じて、人間や社会の隠れた本当の姿をうつしだすもの。 | |
どくせんじょう | 独擅場 | ひとりだけが思うままに活躍するところ。独り舞台。 | |
どくだんじょう | 独壇場 | 「独擅場(どくせんじょう)」に同じ。「擅」と「壇」とを間違えて慣用になった語。 | |
とちめんぼう | 栃麺棒 | ①栃の実を原料とした食品の栃麺を延ばす棒。②うろたえ慌てること。また、慌て者。 | |
どんかつかん | 鈍瞎漢 | にぶくて道理のわからない男。頭がわるくて理解力のない者。 | コトバンク |
とんじんち | 貪瞋痴 | 貪欲(とんよく)、瞋恚(しんい)、愚痴の3つの根本的な煩悩。三毒。 | |
とんちき | 頓痴気 | 気が利かない人。間抜け。 | |
はなでんしゃ | 花電車 | 祝賀、記念などの行事の単に花や豆電球などで飾って走らせた市街電車。 | |
ひたきや | 火焼屋/火焚屋 | 平安時代、宮中で庭火や篝火をたいて夜の番をしていた小屋。 | |
ぼくねんじん | 朴念仁 | ①口数が少なく不愛想な人。②人情や道理の分からない人。わからずや。 | |
めであいづき | 愛逢月 | 陰暦7月の異称。 | |
もぎどう | 没義道 | 人の道に外れていること。むごいこと。また、そのさま。非道。不人情。「ーに離縁した」 | |
やこぜん | 野狐禅 | 禅修行で、まだ悟りきっていないのに悟ったと思い込んでうぬぼれること。また、そのような人。 | |
やぼてん | 野暮天 | 非常に野暮なこと。また、その人。「あいつはーだ」 | |
ゆうやろう | 遊冶郎/游冶郎 | 酒と女色に遊び耽る男。放蕩者。 | |
よせんかい | 予餞会 | 卒業や旅立ちなどの前に行う、はなむけの送別会。 | |
よたろう | 与太郎 | 知恵の足りない人。まぬけ。愚か者。 | |
らんとうば | 卵塔場 | 台座の上に卵形の塔身を置いた墓石。 ②墓場のこと。 | 漢検漢字辞典の見出しは「らんとう」 |
参考資料
本ページは以下の書物を参考にしました。
1.漢検 漢字辞典
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2.難読漢字辞典/三省堂
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3.何でも読める難読漢字辞典/三省堂
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