【漢検1級勉強法】パーツ別 読み間違いやすい漢字「詹(旦)」

漢検

パーツ(音符)ごとに漢字をまとめてみる企画、今回のパーツは「詹(旦)」です。

なお、漢字の分類、読み、熟語などについては漢検漢字辞典(第2版)を参照していますので、辞典によっては用例等が異なる場合がありますが、ご容赦ください。

「詹」を含む漢字一覧

漢字音読み訓読み熟語など
1
タンかつ(ぐ)・にな(う)担当(たんとう)・分担(ぶんたん)・担桶(たご)
2
タン
トウ
きも胆力(たんりょく)・魂胆(こんたん)・胆戦心驚(たんせんしんきょう)
3タン憺然(たんぜん)
4タンつ(きる)・つ(くす)・ことごと(く)澹月(たんげつ)・恬澹(てんたん)・澹乎(たんこ)
5センみ(る)瞻仰(せんぎょう/せんごう)・瞻望咨嗟(せんぼうしさ)
6センひきがえる蟾蜍(せんじょ/ひきがえる)
7センたわごと・うわごと譫言(せんげん/うわごと)・譫妄(せんもう/せんぼう)
8セン
ゼン
た(す)・すく(う)・た(りる)贍給(せんきゅう)・賑贍(しんせん)
9エン
タン
のき・ひさし檐宇(えんう)・檐滴(えんてき)
10エンのき・ひさし簷馬(えんば)・簷滴(えんてき)

※「タン」「セン」「エン」と3パターンあるので、熟語とセットで覚えるとわかりやすいかと思います。

①タン系

」:常用漢字。担当(たんとう)、分担(ぶんたん)など。旧字体は「」。
・担桶(たご):水や肥やしなどを入れて、棒でかついで運ぶおけ。たごおけ。

」:常用漢字。胆力(たんりょく)、魂胆(こんたん)など。旧字体は「」。
・胆戦心驚(たんせんしんきょう):恐怖で震えおののくこと。
・胆斗(たんと)の如し:肝っ玉がすわっていて、ものに動じないさま。

「憺」:訓読みなし。意味として、①やすんじる。安らか。静か。②おそれる。おそれさせる。
・憺然(たんぜん):安らか。

「澹」:①しずか、おだやか、やすらか。②あわい、薄い(≒淡)
・澹月(たんげつ):おぼろ月。淡い光を放つ月。「淡月」とも。
※恬澹(てんたん):あっさりとしていて、名誉・利益などに執着しないさま。「恬淡」「恬惔」とも。
・澹乎(たんこ):①ゆるやかなさま。②静かで落ち着いたさま。

②セン系

「瞻」:見る、見上げる。仰ぎ見るの意味。
・瞻仰(せんぎょう/せんごう):①仰ぎ見ること。見上げること。②仰ぎ尊ぶこと。慕い敬うこと。
・瞻望咨嗟(せんぼうしさ):はるかに仰ぎ見て、その素晴らしさにため息をつくこと。

「蟾」:ヒキガエルのほか、「月」の意味あり。古代中国の女仙人「西王母」から不死の薬を盗み、月に逃げた女がヒキガエルに変化したという伝説によるもの。
・蟾蜍(せんじょ):①月に住むといわれるヒキガエル。②月の異称。なお、単純に「ヒキガエル」とも読め、この場合はそのまま動物の名称。

「譫」:くどくどと言うの意。
・譫言(せんげん/うわごと):①高熱などのため正気を失ったとき、無意識に口走る言葉。②無責任な言葉。たわごと。
・譫妄(せんもう/せんぼう):意識障害の一種。意識が混濁し、錯覚や妄想などを伴う。認知症・アルコール依存症などにみられる。

「贍」:①足す。助ける。救う。恵む。②足りる、豊か。
・贍給(せんきゅう):不足を補い、めぐみ与えること。
・賑贍(しんせん):貧困者、被災者などを救うために金品を施し与えること。

③エン系

「檐」:見出し熟語なし。また、「タン」の音読みの用例もなし。用例としては「簷」と近い。
※檐宇(えんう):家。家屋。
※檐滴(えんてき):のきからしたたり落ちる雨だれ。

「簷」:のき、ひさしの意味。用例としては「檐」と近い。
※簷馬(えんば):風鈴。
・簷滴(えんてき):のきからしたたり落ちる雨だれ。