植物を表す漢字表記(2)

漢検以外

植物を表す漢字表記を集めてみました。

植物は非常に数が多いため、前回に続き「カ行」で始まる植物のみをピックアップして紹介します。
その他の行で始まる植物や全植物の一覧、また「動物」「鳥」「虫」「外国地名」など、他の難読漢字の一覧は以下を参照ください。

難読漢字まとめ
植物、野菜、果物、魚、動物、鳥、虫や外国地名、スポーツ、単位など、当ブログで紹介する難読漢字のまとめです。

植物の一覧(カ行)

【凡例(表の見方)】
植物名:植物名を五十音順、カタカナで表記。
漢字:その植物名の漢字表記。複数のパターンがある場合、それぞれを「/」で切って表記。
分類:その植物名の大まかな分類を表記。
解説:その植物名に関する由来、特徴等をランダムに記載。
備考:その植物名が古名(現在一般的に使われない名称)である場合、「古名」と表記。漢検配当外漢字を含む場合、「『〇』は漢検配当外漢字」と表記(あくまで漢字字体が配当外か否かという観点での表記であり、配当漢字=出題可能性ありとは限らず。)

植物名漢字分類解説備考
カイドウ海棠/花仙/海紅高木古く中国から伝来
カエデ楓/槭/槭樹/鶏冠木/蛙手高木世界に品種が多い
カオヨグサ貌佳草シャクヤクの異称
ガガイモ蘿藦つる植物種子の毛は綿の代用として用いられる「藦」は漢検配当外漢字
カキツバタ杜若/燕子花初夏に花が咲く
カキドオシ馬蹄草/連銭草/垣通道端に多い。薬草にも用いる
カシ樫/橿高木秋にはドングリが実る
カジノキ構の木/梶の木/構樹高木枝の繊維は和紙の原料にも
ガジュマル榕樹/細葉榕/正榕/我樹丸高木沖縄の地方名が由来
カシワ柏/槲/檞高木樹皮を染料にする「檞」は漢検配当外漢字
カタクリ片栗/山慈姑カタクリから採取したデンプンは生薬として用いられることも
カタバミ酢漿草/鳩酸草/片喰/傍食ハート形の葉をつける
カナムグラ鉄葎/金葎つる植物原野や道端など日当の良い地に自生
カナメモチ要黐/金目黐/扇骨木高木扇の要に用いる
カニクサ蟹草/海金砂シダ植物/つる植物別名ツルシノブ
カノコソウ鹿子草/纈草/甘松根と球根は生薬に
カブトギク兜菊/双鸞菊いわゆるトリカブト。毒草
ガマ蒲/香蒲池や沼に自生
ガマズミ莢蒾低木赤い実を付ける「蒾」は漢検配当外漢字
カミツレ加密列カモミールの異称(和名)
カミルレ加蜜爾列カモミールの異称(和名)
カヤ高木碁盤の材料として用いる
カヤツリグサ蚊帳吊草/莎草雑草。道端や田畑に自生
カラアオイ唐葵/蜀葵タチアオイの古名古名
カラスウリ烏瓜/唐朱瓜/老鴉瓜/王瓜つる植物朱色の実をつける
カラタケ唐竹/幹竹マダケの別称。いわゆる竹
カラタチ枳殻/枸橘/枳低木万葉集にもみられる木。薬用にも
カラタチバナ唐橘/百両金低木冬に赤い果実をつける
カラハジカミ唐茱萸高木ゴシュユの古名古名
カラハナソウ唐花草/蛇麻つる植物ビール製造に使うホップとは近縁
カラマツ唐松/落葉松高木日本産針葉樹の中では唯一の落葉樹
カラムシ苧/枲/苧麻からむし織ではこの繊維を使う「枲」は漢検配当外漢字
カリヤス刈安/青茅/黄草黄色の染料に使う
カリン花梨/花櫚/榠樝高木床柱、家具などに使用「榠樝」は漢検配当外漢字
カルカヤ刈萱屋根を葺くため刈ったカヤを特にこう呼ぶ
カワタデ川蓼/水蓼山地の清流に自生
カワハジカミ川薑高木ゴシュユ、サンショウの別称
カワミドリ川緑/排草香ハーブのアニスヒソップと同類
カワヤナギ川柳/川楊/水楊低木水辺に生える
カワラマツバ河原松葉/蓬子菜松葉のような葉を付ける
カンアオイ寒葵/杜衡/常磐草観葉植物として栽培
カンキチク寒忌竹ソロモン諸島原産。一属一種
カンゾウ萱草/甘草中国に自生。根は甘味料
ガンピ雁皮低木奈良時代より製紙原料として用いられる
カンボク肝木/山栄樹低木/高木東アジア北東部に分布
カンラン橄欖高木種子で数珠をつくる
キキョウ桔梗秋の七草のひとつ
キササゲ木大角豆/楸/木豇豆高木果実は食用、利尿薬としても「豇」は漢検配当外漢字
キジカクシ雉隠短枝が葉の代わりをする。和製のアスパラガスとも呼ばれる
ギシギシ羊蹄根は皮膚病の薬にも
キジムシロ雉莚/雉蓆山野に自生
キズイセン黄水仙/長寿花黄色い花を咲かせる
キスゲ黄菅花は夕方開き翌朝萎む
キセワタ被綿/着せ綿淡紅色の花
キヅタ木蔦つる植物建物の装飾に使われる
キツネアザミ狐薊/泥湖菜花がアザミに似る
キナ規那解熱薬・健胃薬などに
キハダ黄檗/黄蘗/黄膚/黄柏高木樹皮の内側は染料
キブシ木五倍子/通条花/旌節花低木庭木や花材などに
ギボウシ擬宝珠/玉簪花/紫蕚山間の湿地などに自生
キムラタケ黄紫茸オニクの異称。葉緑素のない寄生植物
キャラ伽羅高木インド原産の香木
キョウオウ姜黄/薑黄根茎は健胃薬や染料
キョウガノコ京鹿子庭園に栽培される
キョウチクトウ夾竹桃低木/高木有毒な成分を含む
キランソウ金瘡小草雑草。ジゴクノカマノフタとも呼ばれる
キンギョソウ金魚草/鴨足藤金魚の養殖で有名な愛知県弥富市では市の花
キンセンカ金盞花切り花にされる
キンポウゲ金鳳花ウマノアシガタの別名。黄色い花を咲かせる
キンマ蒟醤つる植物東南アジアでは口内の清涼剤に
キンモクセイ金木犀/巌桂高木庭園樹や街路樹に使われる
キンレイカ金鈴花/地花菜/水莨葉敗醬山地に自生
クガイソウ九蓋草/九階草/威霊仙山地や高原に自生
クグ莎草/磚子苗カヤツリグサの別称
クコ枸杞低木果実は生薬
クサアジサイ草紫陽花/胡蝶花日本固有種
クサギ臭木/海州常山/臭梧桐低木全体に臭気がある
クサノオウ白屈菜茎や葉の汁液は有毒
クサボケ草木瓜/地梨低木盆栽に使われることも
クサレダマ草連玉/黄連玉レダマに似た草本であることが由来
クズ葛/田葛つる植物秋の七草のひとつ
クスノキ楠/樟高木樟脳がとれる香木として知られる
クチナシ梔子/山梔子/巵子低木果実は熟しても裂開しない
クヌギ椚/橡/櫪/櫟/椢高木木の実はドングリ「椢」は漢検配当外漢字
グビジンソウ虞美人草ヒナゲシの別称
クマザサ熊笹/隈笹/箸竹/山白竹ササの一種
クマツヅラ熊葛/馬鞭草荒地や道端に自生
クマノミズキ熊野水木/女真高木小さな黄白色の花を密につける
クマヤナギ熊柳/蛇藤/山藤低木山野に自生
グミ茱萸/胡頽子低木果実は食用に
クララ苦参/眩草根は健医薬や駆虫薬に
クレタケ呉竹ハチクの異称
クレノオモ呉母/懐香/蘹香ウイキョウの古名古名。「蘹」は漢検配当外漢字
クロウメモドキ黒梅擬/鼠李低木漢方では身を下剤として用いる
クローヴ丁子/丁字高木果実は香料にする
クロチク黒竹/烏竹2年ほどで真黒になる
クロツグ桄榔低木ヤシ科の植物
クロベ黒檜/𣜌高木建築・器具材に。木曽五木のひとつ「𣜌」は漢検配当外漢字
クロモジ黒文字/鉤樟低木高級楊枝の材料として使用
ケイガイ荊芥薬用植物。解熱・止血などの薬に
ケイトウ鶏頭/鶏冠その形状がニワトリのトサカに似ることから
ゲゲバナ五形花ゲンゲの異称
ケシ罌粟/芥子種類によってはアヘンの原料として
ゲニゴシ牽牛子つる植物アサガオの別称
ケマンソウ華鬘草/荷包牡丹観賞用に栽培
ケヤキ欅/槻高木庭木や防風林に
ゲンゲ紫雲英/翹揺レンゲソウの別称
ケンポナシ玄圃梨高木果実は可食
コウゾ楮/栲低木繊維は和紙の原料
コウホネ河骨/川骨水草の一種。根茎は漢方薬
コウヤマキ高野槇/傘松高木古墳時代の棺によくみられる
コエンドロ胡荽/香荽/芝茜パクチーの古い呼び方。また、これを乾燥させた香辛料をコリアンダーと呼ぶ「荽」は漢検配当外漢字
コカ古柯低木麻薬のコカインはここからとる
ゴキヅル御器蔓/合器蔓/合子草つる植物水辺の草地に自生
コクサギ小臭木低木葉・茎は殺虫剤に
コクタン黒檀/烏木高木弦楽器の材料等に用いられる
コクチナシ小梔子/千葉梔子低木果実は沢庵の着色に用いられることも
コケシノブ苔忍シダ植物岩上や木の幹に着生する
コケリンドウ苔竜胆/石竜胆春に淡紫色の花を付ける
コゴメバナ小米花/珍珠花シジミバナ、ユキヤナギの別称
コシアブラ漉油/金漆高木樹脂液は漆のように使用された
ゴシュユ呉茱萸薬用に栽培
コスモス秋桜メキシコ原産
コデマリ小手毬低木観賞用に栽培される
コナギ小水葱/小菜葱/子菜葱/子水葱水湿地に生える
コナスビ小茄子ナスに似た実を付ける
コノテガシワ側柏/児手柏低木/高木古く中国から伝来
コブシ辛夷高木つぼみは鎮痛薬にする
コブナグサ子鮒草/小鮒草黄八丈の染料に使う
コマツナギ駒繋低木淡紅紫色の小花
ゴマノハグサ胡麻葉草/玄参/黒参葉はゴマの葉に似る
コヤスノキ子安木/平産樹低木社寺林に多い
コロンボ古倫僕/格綸僕つる植物根は健胃薬・整腸薬に
ゴンズイ権萃/野鴉椿高木秋には真っ赤な実を付ける
ゴンゼツノキ金漆木高木コシアブラの異称

参考資料

本ページは以下の書物を参考にしました。

1.漢検 漢字辞典

2.難読漢字辞典/三省堂

3.何でも読める難読漢字辞典/三省堂