【漢検1級勉強法】パーツ別 読み間違いやすい漢字「翟」

漢検

パーツ(音符)ごとに漢字をまとめてみる企画、今回のパーツは「翟」です。

なお、漢字の分類、読み、熟語などについては漢検漢字辞典(第2版)を参照していますので、辞典によっては用例等が異なる場合がありますが、ご容赦ください。

「翟」を含む漢字一覧

漢字音読み訓読み熟語など
1ヨウかがや(く)曜日(ようび)・七曜(しちよう)
2ヨウかがや(く)・かがよ(う)・かがや(き)焜燿(こんよう)
3耀ヨウかがや(く)栄耀(えいよう)・霊耀(れいよう)
4タクあら(う)・すす(ぐ)洗濯(せんたく)
5タクさ(す)
6ヤク
テキ
おど(る)躍起(やっき)・活躍(かつやく)
7トウかい・かじ櫂歌(とうか)
8テキ
タク
ぬ(く)・ぬき(んでる)抜擢(ばってき)・超擢(ちょうたく)
9チョウうりよね・う(る)・せり糶糴売買(ちょうてきばいばい)・糶取(せどり)・糶売(ちょうばい)
10テキか(う)・かいよね・いりよね糴糶(てきちょう)・糴取(せどり)

「ヨウ」と読むパターンはいずれも「光っている」雰囲気があると覚えておくと良いかも知れません。

①ヨウ系

」:常用漢字。光、かがやくという意味の字であるが、七曜を1週間の7日に割り当てた名として「曜日」という使い方が最もメジャー。
※七曜(しちよう):漢字源に掲載。①「七政」と同じ。②一週の七日。
※六曜(ろくよう):広辞苑に掲載。暦注で、先勝(せんしょう)・友引・先負(せんぶ)・仏滅・大安・赤口(しゃっこう)の六種。
※九曜星(くようせい):広辞苑に掲載。日・月・火・水・木・金・土の七曜星に羅睺(らご)星・計都(けいと)星の二星を加えた称。

「燿」:「かがや(く)」と読む。「かがよ(う)」とは、きらきらと揺れて光る、ちらつくという意味の古典的な言い回し。
※焜燿(こんよう):漢字源に掲載。照り輝くこと。

「耀」:「」とほぼ同じ意味合いで、こちらも「かがや(く)」という訓読みを持つ。
※栄耀栄華(えいようえいが):広辞苑に掲載。はなはだしく派手で贅沢なこと。「―を極める」
※霊耀(れいよう):漢字源に掲載。不思議な光。また、それを放つもの。日・月・星など。

②タク系

」:常用漢字。「洗濯(せんたく)」という言葉がほぼ唯一の用例と言って良い。訓読みは「あら(う)」と「すす(ぐ)」。「すす(ぐ)」は水で汚れを洗い落とすという意味のほか、恥や不名誉などを除き去るという意味で、「汚名を―ぐ」のようにも使う。

「戳」:漢検漢字辞典ではつく、さす、突き刺すという意味のみが掲載され、用例が全くない字。訓読みは「つ(く)」。

③その他例外

(1)ヤク

」:常用漢字。「おど(る)」という訓読みのほか、飛び跳ねるという意味では「跳躍(ちょうやく)」「躍動(やくどう)」など。「テキ」という音読みもあるが用例はなし。
・躍如(やくじょ):いきいきと目の前に現れているようす。「面目―たるものがある」
・躍起(やっき):必死に、またむきになって物事を行うさま。

(2)トウ

「櫂」:ややこしいが訓読みが「かい」で音読みは「トウ」。「かい」とは水をかき舟を進ませる木製の棒、オールのこと。
・櫂歌(とうか):船頭が舟を漕ぐときにうたう歌。舟歌。

(3)テキ

「擢」:「ぬき(んでる)」という読みがあるように、とびぬけて優れているという意味。「タク」という音読みが第一に掲げられているが、「抜擢(ばってき)」に始まり熟語のほとんどは「テキ」で使う。
※抜擢(ばってき):多くの中から特に引き抜いて登用すること。擢用(てきよう/たくよう)。
※超擢(ちょうたく):人並みはずれてすぐれていること。

(4)チョウ・テキ

「糶(チョウ)」:売り米、売りに出す米という意味。「せり(=競り)」とも読み、競売という意味を持つ。
・糶取/糴取/競取(せどり):同業者間の売買の仲介をして手数料を取ること。また、その人。
※糶糴(ちょうてき):売り米と買い米。米の売買。
※糶糴売買(ちょうてきばいばい/せりばいばい):糶売(ちょうばい/せりうり)と糴買(てきばい/せりがい)の総称。

「糴(テキ)」:買い米、買い入れた米という意味。「か(う)」とも読み、穀物を買い入れること。
※糴糶(てきちょう):漢字源に掲載。穀物の売買。

「糶(チョウ)」と「糴(テキ)」は左上のパーツが異なるのみで形も似ていますが、意味が真逆で読み方も異なります。「糶糴売買(ちょうてきばいばい)」という熟語で覚え、漢字は「出入」と同じ順と記憶しておくと混乱しづらいかと思います。「売買(ばいばい)」も「売り」「買い」の順番なので、それと一緒ということですね。