パーツ(音符)ごとに漢字をまとめてみる企画、今回のパーツは「召」です。
なお、漢字の分類、読み、熟語などについては漢検漢字辞典(第2版)を参照していますので、辞典によっては用例等が異なる場合がありますが、ご容赦ください。
「召」を含む漢字一覧
漢字 | 音読み | 訓読み | 熟語など | |
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1 | 召 | ショウ | め(す) | 召喚(しょうかん) |
2 | 招 | ショウ | まね(く) | 招聘(しょうへい)・招待(しょうたい) |
3 | 沼 | ショウ | ぬま | 沼沢(しょうたく)・池沼(ちしょう) |
4 | 紹 | ショウ | つ(ぐ) | 紹介(しょうかい) |
5 | 昭 | ショウ | あき(らか) | 昭和(しょうわ)※元号 |
6 | 照 | ショウ | て(る)・て(らす)・て(れる) | 照明(しょうめい)・照魔鏡(しょうまきょう) |
7 | 詔 | ショウ | みことのり | 詔勅(しょうちょく) |
8 | 劭 | ショウ | つと(める) | |
9 | 邵 | ショウ | ||
10 | 韶 | ショウ | うつく(しい)・あき(らか) | 韶景(しょうけい) |
11 | 超 | チョウ | こ(える)・こ(す) | 超越(ちょうえつ)・超弩級(ちょうどきゅう) |
12 | 迢 | チョウ | はる(か)・とお(い) | 迢遥(ちょうよう) |
13 | 貂 | チョウ | てん | 貂裘(ちょうきゅう) |
14 | 髫 | チョウ | うない・たれがみ | 髫齔(ちょうしん) |
15 | 齠 | チョウ | みそっぱ |
「召」(ショウ)系列と「超」(チョウ)系列の2通り。常用外漢字に限ると「チョウ」と読む用例の方が多いので、「韶」以外は「チョウ」くらいの大雑把な記憶をしておくと良いのかも知れません。
①ショウ系
「召」:常用漢字。「め(す)」と読み、呼び寄せる、まねくの意味。
・召喚(しょうかん):官庁が人を呼び出すこと。特に、裁判所が被告人・証人などに対し、一定の日時に指定の場所に呼び出すこと。
・召還(しょうかん):派遣した人を呼び返すこと。
・召人(めしゅうど/めしうど):①舞楽に奉仕するために召し出された人。②和歌所(※勅撰和歌集の撰述などを行うため、臨時に設置される宮中の役所)の寄人(よりゅうど/よりうど)の別称。
「招」:常用漢字。「招待」「将来」など、文字通り「まね(く)」の意味。
・招提(しょうだい):寺院の別称。僧が四方より集まり来る所。
・招聘(しょうへい):礼を尽くして、丁寧にまねくこと。
「沼」:常用漢字。泥深い自然の池、つまり「ぬま」の意味。
・沼沢(しょうたく):ぬまとさわ。窪地に水がたまり、草などが生い茂ったところ。
※池沼(ちしょう):いけとぬま。
・沼縄(ぬなわ):ジュンサイの別称。「蓴」とも書く。
「紹」:常用漢字。訓読みは表外読みだが「つ(ぐ)≒継」。取り持つ、引き合わせるという意味では「紹介」等の用例あり。
・紹述(しょうじゅつ):先人の事業や制度を受け継ぎ、それに従っておこなうこと。
・紹興酒(しょうこうしゅ):中国の醸造酒の一種。中国浙江省の紹興の産。
「昭」:常用漢字。「ショウワのショウ」と説明すればほとんどの人が書けそうだが、逆にこれ以外での使途は人名くらいで、一般名詞での使用例はほとんどない。訓読みは「あき(らか)」であり、明らかである、明るいという意味のほか、世の中がよく治まるという意味がある。
・昭然(しょうぜん):物事の明らかな様子。
「照」:常用漢字。訓読みのとおり「て(る)」「て(らす)」という意味では「照射」「照明」、太陽の光という意味で「日照」、てらし合わせる、見比べるという意味で「照合」などの用例がある。
・照応(しょうおう):二つの文章などが相互に関連・対応し合うこと。
・照魔鏡(しょうまきょう):悪魔を映し出す鏡。転じて、人間や社会の隠れた本当の姿を映し出すもの。
・照明(しょうめい):①灯火で照らして明るくすること。②舞台や撮影の効果を上げるために使用する人工的な光線。また、その使い方。ライティング。
「詔」:常用漢字。「改新の詔(みことのり)」のように、天皇の言葉という意味を持つ。
・詔勅(しょうちょく):昔、天皇が発する公文書で、詔書・勅書・勅語の総称。
「劭」:「つと(める)≒努」、はげむという意味。漢検漢字辞典では用例等が全くない。辞書によっては「うるわしい」との訓読みを挙げ、「劭美(しょうび)≒美しい」という熟語を載せているものもある。
「邵」:意味は①中国春秋時代の晋の地名。②人の姓。中国の地名や人名でしか使われず、熟語での用例もないため、漢検で出題される場面は皆無であろう文字であり、配当漢字に含む必要性すら怪しい字の一つ。
「韶」:うつくしい、うららか、あきらかという意味。また、中国の伝説上の天子舜が作ったといわれる楽曲のこと。韶舞(しょうぶ)。
※韶景(しょうけい):春のうららかな景色。
※韶麗(しょうれい):明るく美しいこと。
②チョウ系
「超」:常用漢字。「召」を含む字として「チョウ」と読む好例。
・超越(ちょうえつ):①程度や範囲などをはるかにこえること。②世俗的なことに煩わされないこと。
・超克(ちょうこく):苦しみや困難を乗り越えること。あるものに打ち勝つこと。
・超然(ちょうぜん):物事に拘らないで、悠々としている様子。俗世間から離れている様子。
・超弩級(ちょうどきゅう):大きさや強さが、同類の物よりずば抜けていること。英の戦艦ドレッドノート型より優れた戦艦を指す「超弩級戦艦」から出た語。「弩」はドレッドノートの頭文字「ド」の当て字。
「迢」:「はる(か)」「とお(い)」という意味。
・迢迢(ちょうちょう):はるかなさま。はるかに遠いさま。また、はるかに高いさま。
※迢遥(ちょうよう):はるかに遠く点々と続くさま。≒迢逓(ちょうてい)。
「貂」:イタチ科の動物「てん」のこと。あくまで訓読みが「てん」であり、音読みは「チョウ」。
・貂裘(ちょうきゅう):テンの毛皮で作った高貴な人の着る衣服。
・貂(てん)なき森の鼬(いたち):権力者がいない所では、つまらない人間が幅を利かせるたとえ。テンのいない森では、イタチが身勝手な振舞いをする意から。
「髫」:子供の髪型の一つである「うない」「たれがみ」という意味があるほか、子供、幼児という意味がある。
・髫髪/髫(うない):髪の毛をうなじで束ねて垂らした、昔の子供の髪型。②女児の髪をうなじの辺りで切り下げたもの。また、そういう髪型の子供。
・髫齔(ちょうしん):おさなご。幼児。
「齠」:「みそっぱ」と読み、子供の歯が抜けかわること、またその頃の子供という意味を持つ。用例はなし。
※齠齔(ちょうしん):抜けかわりかけている乳歯。7~8歳の年頃。また、その頃の子供。